「しぐれ煮って、佃煮でしょ?」
と思っている方、多いようですねえ。
でもしぐれ煮と佃煮はつくり方も素材もいろいろちがうんですよお。
しぐれ煮というと、いまは「牛肉のしぐれ煮」と思い浮かべる方も多いですが、元ははまぐりをたまり醤油でさっと煮たもののこと。三重県の蛤の名産地桑名のいまでは生姜が入ることが必須のイメージですが、どうやら最初はそうではなかったみたい。
たまり醤油とは
一方、佃煮は、千葉の濃口醤油でじっくり炊かれたもの。元は大阪の佃村にいた漁民が家康に招かれて江戸の佃島で漁業を営む中で昔からの塩煮していたのを、千葉の醤油が江戸に伝わってからは醤油で煮込むようになりました。
濃口醤油とは
しぐれ煮の語源は諸説ありますが、短時間の調理方法を、短時間降ってすぐ止む時雨に重ねたという説もあるくらいで、調理時間の短さが特徴です。そもそもが「その手は桑名の焼き蛤」などという洒落言葉もあるように、桑名の名産だった蛤を煮たものですから、煮込み時間が長いと硬くなってしまいますよね。
そうそう、蛤は時雨の季節がおいしいから時雨煮という語源もあるくらいです。
つまり、しぐれ煮とは桑名を中心とする三重北瀬地区の名産品。いまや、どこでも作られていますが、本場はこの地区。
先日、三重北瀬地区の老舗、明治十年創業の「喜太八しぐれ」から、モニター提供いただきました。テレビでもよく紹介されている名店です。
好きなものを選んでいいと言っていただき、お店のサイトを眺めてルンルン。
「しぐれ煮だものね、蛤の時雨煮は欠かせないよね」
「…おおっ、大好きなタラコを昆布と煮た《たらこ昆布》がある!」
「しぐれ煮じゃないけど、あなごの佃煮のお茶漬け、めっちゃ好物だから、これは欠かせない」
「《飯ともしぐれ》? へえ、あさりを細切り生姜と煮てあるの? うわあ、大人気商品なのね、わかるわ、それ、絶対おいしいもの」
「これ、ギフト向きよねえ。ギフトとして紹介したいから、ギフトセットがいいなあ」
…商品を頼んでから気づいたら、肝心の蛤の時雨煮を忘れていました……。
でも、おいしかったから、蛤は次回、自腹で頼みます。
ちょっと贅沢しぐれ煮6品で3週間も満喫
今回お願いしたのは、《初摘み生海苔佃煮》120g、《飯ともしぐれ》100g、《たらこ昆布》100g、《ほたてしぐれ》100g、《椎茸昆布》100g、《あなご佃煮》60gの6品が入ったギフトセット。送料無料の税込 4,628 円。
実は敬老の日ギフトセットだったので、いまは売っていませんが、こういった複数商品を組み合わせたギフトセットが送料無料で、いろいろ揃っています。
食べ始めたのは10月14日。
「椎茸昆布」と「飯ともしぐれ」、「初摘み生海苔佃煮」の3つを開封。
この日は二人とも胃腸が疲れていて、軽い食事にしたので、メニューは、若竹煮に、胡瓜とゆで鳥の梅和え、2種のしぐれ煮と、大根おろしに添えたに初摘み生海苔佃煮、たらこ、お吸い物。
翌朝は3種のしぐれ煮でお茶漬け。
以後、夫婦二人で、最初の2週間は朝と晩1日2回食べることもしばしば。だいたい平均して、1~3日に1回から4回くらい食べました。最初に立て続けだったせいで、連れ合いから「おいしいけど、次に注文するのは数か月後にしてね」と言われてしまいました。
まあ、それくらい頻繁に食べて、食べ終えたのが今日。3週間もの間、楽しめました。
この日は高島屋の北海道物産展で買ってきた本物のシシャモと贅沢納豆、柚子大根の漬物に、シジミの赤だし、大根葉としらすの炒め煮、そして「初摘み生海苔佃煮」。
箸休めが常に1品あると、食卓がにぎわいます。
イサキの刺身が安かった日は、刺身を主役に、栃尾の油揚げをさっとあぶったものに大根おろしと生姜を添えて、つくりおきのひじきと、わかめの味噌汁。「椎茸昆布」と「飯ともしぐれ」が品数を増やしてくれます。
やっぱり貝と生姜の相性よし、これぞ、お取り寄せすべきしぐれ煮
あさりと生姜を煮た「飯ともしぐれ」はまさにしぐれ煮。
「喜太八しぐれ」からしぐれ煮をお取り寄せするなら、絶対頼みたい一品。
ふだん、かなり薄味の食事をしている我が家としては、最初はしょっぱいかなと思いましたが、ごはんと共に食べていくと、やっぱり東京の甘さも辛さも濃い、甘辛の佃煮とはちがい、塩気がそこまで強くはありません。
生姜の爽やかさもあって、自然とご飯が進んでしまいます。噛むほどに味わい広がる貝のうまさ、幸せです。
海苔の長さに驚き
「初摘み生海苔佃煮」を袋から出すときにびっくりしたのが長さ。引っ張り出しても、引っ張り出しても切れ目がない!
そして、江戸紫とかに感じる醤油辛さがなくて、海苔の味が楽しめます。
最初はこうやって大根おろしに添えて食べましたが、大根おろしなんて必要ありませんでした。
そのままご飯と共にすっと食べられます。
椎茸と昆布、おいしいこと間違いなしの組み合わせ
椎茸と昆布、どちらも出汁の素ですからねえ、当然、うまみがじゅわ。小さいけど、丸ごとの椎茸が入っていて、まあ、贅沢。
幸せなお取り寄せ穴子の佃煮
うふふ。楽しみに楽しみにしていたのが、あなご佃煮の茶漬け。佃煮ですから、これはじっくりことこと煮。
朝ごはんから、なんて贅沢~。
最初はそのままごはんと共に食べて、それから残りの穴子を全部のせして、お茶をかけて、さらさら…。
あんまり幸せすぎて、茶漬けの写真を撮るのを忘れました。ごめんなさい!
お取り寄せしぐれズラリ
6種類一緒に…と思っていたのに、ついつい、「飯ともしぐれ」は食べきってしまい、最初に開けた3種の内の2種と残りの3種、写真左上、椎茸昆布、その右、あなご佃煮、左下、ほたてしぐれ、その右、たらこ昆布、別皿に初摘み生海苔佃煮5種類揃い踏み。
胃腸疲れ気味だったので、キャベツの千切りたっぷり添えた豚肉の玉ねぎたっぷり生姜焼き、北海道のアンテナショップで購入した贅沢納豆と卵、大分で年に3日しか採れない贅沢な姫島ひじきを油揚げと人参と炊いたもの。しめじの味噌汁。肉焼く以外ほとんど並べただけの手抜きご飯でしたが、しぐれ煮のおかげで豪勢でした。
タラコ予想通りのおいしさで、ホタテは当然噛めば噛むほどじゅわっとおいしさが広がり、ちょっとご飯が足りなくなった日でした。
次にお取り寄せするのは…
ふだん和食は3日に1回くらいなのに、しぐれ煮がある間は和食の回数が増えました。
連れ合いに飽きられないよう、2カ月くらいおいて、次を頼もうと思います。
次は必ず「しぐれ蛤」。
ああ、でも贅沢して、「特選手むきしぐれ蛤」にしちゃおうか。
いやいや、そこで贅沢せずに、代わりに、あの名物「焼き蛤」を追加しようか。
山椒好きとしては気になる「珍味しじみ山椒」、子どもの頃から大好きな「生あみ」もいいなあ、「松茸佃煮」はまちがいないおいしさだろうなあ。
もう口の中が幸せな味になる妄想が止まりません!
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