おいしい高級醤油ランキングでは、高級感、特別感に重きを置いたので、おいしいのにこぼれた醤油がありました。
というわけで、番外編。
ヤマト醤油味噌の生醤油「ひしほ」
金沢の大野醤油の大手メーカーヤマト醤油味噌の生醤油です。
通常の醤油は最後に火入れして殺菌しますが、火入れの代わりに生ビールのようにミクロフィルターで濾して作られています。
ぜひ、かけ醤油として、生の香りを味わってください。
特徴は香りが良いこと。大野醤油なので甘めですが、砂糖や甘味料は使っておらず、仕込みの際に使われる米麹だけの甘み。
ランキング一位にした大野紫と差し替えようか迷ったのですが、「高級醤油ランキング」なので、高級感のある醤油を優先したことと、大野醤油を複数入れると偏ると思い、ランキングから外しました。
カマダ「だし醤油」
だし醤油は、だしを加えた「醤油加工品」なので、番外に入れました。
だしが加わることによって、塩分控えめでもうまみがあるので、血圧を気にするひとなどは、かけ醤油としてだし醤油を使うのがおすすめです。
カマダはうどん県香川県のメーカーであり、醤油名産地である小豆島の醤油メーカーです。カマダのだし醤油は、そのままぶっかけうどんに使える醤油。
だし醤油として、比較的入手しやすく、かつ、美味です。
フンドーキン「八本木樽」
本当なら高級醤油ランキングに入っておかしくない醤油ですが、フンドーキン2本もなんなんので、ランキングからは外しました。
樹齢四百年のヒバの芯材で作った木樽に、国産丸大豆、国産小麦、天日塩を原料として仕込み、ゆっくり、じっくり三年間丹誠込めて造られています。
「世界一木樽醤油」に近い、こいくち醤油で、甘すぎません。
「伊勢醤油 吟香仕込み」
太いうどんが有名な伊勢うどんにかかせないのが、真っ黒なお醤油。たまり醤油のようにとろみとコクのある味があり、こいくち同様の高い香りがある醤油です。
色や見た目は濃そうですが、塩味はそんなに強くありません。
中国料理で、東坡肉など濃い色をつけたいときは、老抽と呼ばれるキャラメルが入った、色が濃く、甘味もある醤油を使います。こういう色の濃さを求めるときに、伊勢醤油が便利です。
甘辛い煮物などにおすすめ。
ちば醤油「下総醤油」
千葉県の醤油。キッコーマンのイメージで「千葉の醤油は塩っぱい」と思っていましたが、どうやらそれは野田の醤油。銚子のほうはわたしの好みに合うようです。
しょっぱすぎず、甘すぎません。
甘い醤油だと料理レシピのとおりに作ると甘すぎたりするので調節が必要ですが、この醤油なら、一般的なレシピのまま、作って大丈夫。
近所で一番買いやすいため、最近はこれが多いです。冷ややっこやおひたし、お吸い物、煮物まで、日常的にどの料理にも使いやすい醤油です。
福岡醤油店「はさめず」
伊賀の老舗の甘口醤油です。甘口といっても、九州よりも、金沢の大野よりも、さらっとした甘さで、爽やかです。
創業当時のままの道具、蔵を使っていて、その蔵は「登録有形文化財」に指定されています。
「はさめず」という名前は、京都の古老から「昔は醤油のことを、箸ではさめない料理という意味で“はさめず”と呼んでいた」と聞いた二代目が、苦心して創り上げた新しい醤油に名付けたそうです。
塩味も甘みも強くない、主張しすぎず、素材の味を引き立たせる醤油なら、これです。
大久保醸造「甘露醤油」
醤油をおいしいと感じる醤油。
米糀を使っているところが、また我が家好みの味です。
刺身や、焼いたお餅などにつけて食べてみてください。
直源「もろみの雫」
金沢大野醤油の甘口(うまくち)醤油です。
甘めで濃い醤油で、ブリなどの刺身に合います。卵かけごはんに1滴たらすのもおすすめ。
末廣醤油「龍野 本造り うすくち醤油」
うすくち醤油を生んだ龍野のうすくち醤油。料理の味、素材の味をしっかりと引き立ててくれるうすくち醤油です。
うすくち醤油は一般的にお吸い物や、色をきれいに出したい煮物などに用います。塩で食べたい白身の刺身にもおすすめ。極上の豆腐を買ったときは、安い豆腐でもおいしくしてしまう再仕込み醤油ではなく、素材の味を引き立てるうすくち醤油で食べてみてください。
うすくち醤油は色と共にうまみも薄め。昔、倉敷の食の名店「平翠軒」のご主人にうすくち醤油のおすすめを聞いたら
「わたしはうすくちは使いません」
ときっぱり。
でもうすくち醤油ならではなのシーンがあります。