春になると、筍が食べたくなります。それも水煮ではなく、皮つきの生の筍を買ってきて作りたくなります。身体が求める栄養がそこにある気がします。
でも筍も価格がピンからキリまで。中国産の安い筍の水煮が出回る中、国産の生の筍、なかでも京都の筍は味も格別ですが、価格も格別。
そんな京都の筍のPRイベントに先日うかがいました。
わたしはテレビ番組などでも何回か見たことがありますが、この日も京都の筍がどんなに大切に育てられているか、説明いただいたのですが、本当に手間がかかっています。
説明の中で言われましたが、京都の筍の生える場所を、まちがっても「竹藪」などと言ってはいけません。
土を耕し、肥料をやり、一年中細かに面倒を見ている、そこは筍畑です。
それだけ手間をかけているからこそ、京都の筍は柔らかく、優しく、繊細な味がします。
もっと手軽に京筍
筍と言うと、あく抜きや下茹でなど、下ごしらえが大変なイメージがありませんか? そのために、最近、日本人は筍をあまり食べなくなっているとか。
■下茹で不要、筍カンタン下ごしらえ
でも、わたしは分とく山の野崎さんのやりかたでやっているので、簡単です。
筍は茹でずに生のままいきなり切ります。生のため、切れる包丁を使わないと筍が割れるので、要注意。1cm厚さくらいの、使う大きさに切ります。
そして大根おろしのしぼり汁カップ1を同量の水で割り、塩小さじ1弱を加えたものの中に、切った筍を入れて、30分以上つけておけば、あく抜き完了。
これで筍ごはんなら炊飯器に、お吸い物ならお出汁の中に直接入れて、炊いたり、煮たりします。
下茹でしていないので、筍本来の風味が楽しめて最高です。
■水煮やたけのこご飯の素を利用
今回会場にはたけのこご飯の素がいろいろ登場して、食べ比べさせてもらいました。
左から小川食品工業、株式会社オノウエ、有限会社クレアのたけのこご飯と、一番右は京都のコシヒカリ「歌人(うたびと)」を白いまま。
小川食品工業のたけのこご飯は出汁の味がしっかり、オノウエは薄味でおあげが味を引き立てていて、クレアは甘めの味でした。
たけのこご飯の素や筍の水煮があれば、お手軽幸せごはん
小川食品工業のたけのこご飯の素はおみやげにもいただいたので、早速その日の晩ごはんに。
会場が人形町だったので、帰りに魚久で西京漬け、酒悦で蕪の漬物と長いもの漬物、3分佃煮を買って帰ったので、お手軽においしい夕飯が作れました。
お土産に森庄缶詰の筍の水煮もいただいたので、数日後に今度は白だしで味付けして、たけのこご飯と若竹汁を作りました。
大分の年に3日しか採れない姫ひじきを煮ものにして、魚久の西京漬けと一緒に、春らしい贅沢ごはんです。
和え物もおいしい筍
ちょっと落ち着いてごはんが作れる日は、たけのこご飯に、若竹のお吸い物、里芋のそぼろ煮、金目鯛の干物、菜花の辛子醤油和え、白菜の漬物、長いもの漬物、3分佃煮、それに筍をコロコロに切って梅肉と合えました。京都の繊細な味の筍は梅肉とよく合います。
洋食にも活躍する筍
わたしは洋食にも筍を使います。
筍に塩、コショウしてレモン汁と合え、生ハムの上にのせて、上からオリーブオイル。
京筍の先端の柔らかい部分を使った筍の前菜です。
ちなみにこの日のメニューは、チキンのハニーマスタード焼きと、ベビーコーン・絹さや・ポテトのソテー、人参の艶煮、コーンスープと、筍の前菜です。
竹の器などで日本らしいテーブルセッティングも
竹は夏の演出に最適な素材。
この日は竹を使って洋食のテーブルセッティングがされていました。
京都の清水焼と竹の箸や器の組み合わせが魅力的でした。
筍スイーツも意外にあり!
会場でさまざまな筍スイーツを見て、「え、筍スイーツ!?」と思ったのですが、意外にありでした。
たとえば意外に大きなブロックの筍を煮たものが入った筍最中。
筍入りのわらび餅。
和菓子だけでなく、マカロンなど洋菓子もありました。
マカロンはいろいろなお店の競作で、それぞれの店の個性が出ていて楽しく食べました。